以前、とある自動車メーカーでデザインの仕事をしていた方とお話しする機会を持ったことがありました。
コストの問題や、機能のためのデザイン制約は工業デザイナーにとっては当然の前提条件なので、何とも思わなかったそうですが、経営陣の変な嗜好で制限されるのはちょっと・・・と話されていたのを覚えています。
面白いなと思ったのは、そんな色んな制約がある中でも全くの新型車両のデザインが楽しいのは間違いないのだけれど、でも一番の腕の見せ所はシリーズ車両のフルモデルチェンジ版のデザインなんだというお話でした。
まず、前のモデルのイメージはちゃんと引き継がないといけないわけで、デザインの飛び過ぎは許されない一方、フルモデルチェンジなのですから、それなりにイメージを一新しないといけません。
どれくらい飛んでいいかは、前モデルの販売台数にもよるのだそうで、一般的には売れたモデルの次は冒険をなかなか許してもらえない傾向があったそうです。
どれくらい飛んでいいかは、前モデルの販売台数にもよるのだそうで、一般的には売れたモデルの次は冒険をなかなか許してもらえない傾向があったそうです。
いずれにしても、モデルチェンジ車のデザインでもっとも重要な点は、以前のモデルを『古い』と思わせるようなデザインにすることだそうです。
確かに、クルマに興味のないひとでさえ、見比べればだいたいどの車種でも年代順に並べられるんじゃないでしょうか。
BMWのM5で並べてみると
BMW乗りでなくても、あれっ?と思ったひとは多いと思います。
はい、下二つは順番が逆です。
はい、下二つは順番が逆です。
ところが、クルマに特に興味がない10代(14歳~19歳)の男女15人ほどに並べてもらったら、上3つは誰も間違えなかったのに対して、下二つはこの順番で並べた子のほうが多かったんです。
特に女子は全員新旧逆にしていました。
所詮子供の意見なのですが、でももしかすると商業デザイン的には失敗だったのかもと思った次第です。
特に女子は全員新旧逆にしていました。
所詮子供の意見なのですが、でももしかすると商業デザイン的には失敗だったのかもと思った次第です。
By OZW